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Noriaki Hayashi Art Works _Nota
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牛追い祭
牛追い祭_b0059130_0474298.jpgスペインの三大祭のひとつであるパンプローナの「サン・フェルミン祭」を見てきた。牛追い祭として有名な祭である。サン・フェルミン祭はヘミングウェイの「日はまた昇る」の舞台になっていることでも知られている。
パンプローナはサンセバスチアンから南東へ100キロくらい下ったピレネー山脈麓の街で、ほどほどの規模の街である。その街が「サン・フェルミン祭」の期間中は酔っぱらいで埋まると言っても過言ではないくらいの状態になる。「サン・フェルミン祭」に参加する人は皆、白い上下の服に赤いスカーフを首に巻き、赤い腰巻きをしているので街中が白と赤の酔っぱらいである。

「牛追い」は毎朝行われる。そして死者が出るほど危険な祭でもあるにもかかわらず、誰でも参加できる! もちろん参加してきました! 幸いにも牛には刺されませんでしたが。

朝八時に牛追いはスタートするわけであるが、朝七時くらいからスタート地点である牛囲い場に近い道路に人が集まってくる。しかも、前の晩からそのまま飲み明かして来ているような酔っぱらいも多い。
集まってくる人には小さな注意書きの紙が手渡される。その注意書きは「死ぬ場合もあります」から始まって、最後は「では祭を楽しんで」で終わっている。
牛追い祭_b0059130_048648.jpg道路は急ピッチで清掃され(前の晩のどんちゃん騒ぎで道路は地面が見えないほどのゴミやワインのガラス片で埋まっている!)、それが済むとどこからともなく小さなサン・フェルミン像が運ばれてきて、スタート地点近くの道路沿いの切り立った壁にある小さな祠に入れられる。その小さなサン・フェルミン像にアカペラの歌が捧げられ(これがまた美しい!)いよいよスタートが近くなってくると、ますます人が増え異様な盛り上がりを見せてくる。
スタート直前、みんなでその小さなサン・フェルミン像に向かって、ときの声と言うか、エイエイオ−! みたいな気合いを三回ほど入れたところで、花火が上がりスタート!!

ようは牛が突っ込んでくるのに気をつけつつゴールである闘牛場まで走ればいいわけであるが、難関が二カ所ある。どちらもカーブで、突っ込んでくる牛が曲がりきれずに転倒する。牛は群れている状態だと人を攻撃しないが、群れから離れるととたんに凶器と化す。転倒して遅れをとってしまった牛が人を攻撃するのだ。
自分はかなりスタート地点近くにいたので、一番はじめのカーブに差しかかる前に牛が横を通り過ぎて行った。ドコドコという音がしたかと思うと群れた牛が後ろに見える。道路脇に身を寄せ牛をやり過ごす。牛の群れは瞬く間に通り過ぎて行った。間近で見る闘牛は凄い迫力!
そんなまっすぐな道でも、派手に転けて牛に巻き込まれそうになっている外国人とかがいる。ああいうのは絶対酔っぱらいだ。

その後は牛を追って走るわけだが、カーブあたりは牛が通り過ぎた後でも少々パニック状態で、何も居ないのに、まるで海の中の小魚の群れみたいに人が急にぱっと散ったりする。

牛追い祭_b0059130_050547.jpgその後に、別の牛の一群がやってくる。後発の牛の一群は去勢牛で、闘牛をなだめる役割なので比較的おとなしい。しばらくはその牛の後について走っていった。
ルールを知らなかったのだが、その最後の牛が闘牛場に着いた時点で闘牛場への扉が閉められ、その後は闘牛場に入れなくなる。自分が闘牛場に到着した目前で扉が閉まってしまい、残念ながら闘牛場内には入ることが出来なかった・・・。
自分が参加したのは、今年の「サン・フェルミン祭」一番初日の牛追いで、その日は怪我人はいなかった模様。まだ初日だったので走る人はさほど多くなかったらしいが、それでもすごい人数。いったい週末とかは、どうなってしまうのやら・・・。人が多くなれば多くなるほど、牛から逃げにくくなるのは目に見えている。

ヘミングウェイの「日はまた昇る」を読んでいたので、ぜひとも「サン・フェルミン祭」で闘牛をと思っていたのだが、チケットが一杯で見ることができず。後で話に聞くと、パンプローナ市民でもチケットの競争率が高くて見ることは難しいということだ。ダフ屋みたいのはいっぱい居たから、お金を出せば見れないこともなさそうだけど。

ともあれ、牛追い祭で走れたので、スペインでしたいことの大半はやってしまったような気にもなっている。オーレ!!
by nori884e | 2005-07-13 00:53

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